アレルギーでお悩みですか?

Person sneezing into a tissue beside allergy medicine and used tissues

CDC(米国疾病予防管理センター)の2021年の全国健康調査によると、米国の成人の31.8%が季節性アレルギー、湿疹、食物アレルギーのいずれかを持っており、内訳は季節性アレルギーが25.7%、湿疹が7.3%、食物アレルギーが6.2%でした。子どもでは27.2%が1つ以上のアレルギー疾患を持ち、季節性アレルギーが18.9%、湿疹が10.8%、食物アレルギーが5.8%とされています。また、アナフィラキシー(重篤なアレルギー反応)による救急外来の受診も増加傾向にあると報告されています。

一般的なアレルギー治療には、抗ヒスタミン薬、ステロイド薬、アレルゲン免疫療法(注射や舌下錠)などがあります。効果が確立された治療ですが、体質によっては副作用が出ることがあり、長期間続ける必要があるケースも少なくありません。こうした理由から、自然療法や代替療法に関心を持つ人もいます。

よく知られている方法としては、ケルセチンやイラクサなどのハーブ、シソの葉エキスや黄耆(アストラガルス)といった素材、抗炎症作用が期待される食事などがあります。ただ、多くはまだ研究段階で、ハーブにも薬との飲み合わせや副作用があります。そのほか、鍼、経鼻光線療法、催眠療法などの方法も使われています。その中で最近、米国で注目されているのが「ソリマン耳介アレルギー治療(SAAT)」です。

SAATは、米国の医師ナーデル・ソリマン氏(麻酔学と医療鍼灸の両分野で専門医認定)が、フランスの神経科医ポール・ノジェが体系化した耳介療法をもとに開発した耳鍼療法です。日本でも耳つぼを使ったアレルギーケアは珍しくありませんが、SAATは同じ「耳に鍼を使う治療」でも、考え方と手順がかなり違います。一言でいうと、一般的な耳つぼケアは体全体のバランスを整えて症状を和らげることを目指し、SAATは特定のアレルゲンへの反応そのものを消すことをうたっています。

考え方の違い
一般的な耳つぼケアでは、耳を「全身の縮図」とみなし、耳つぼを刺激することで自律神経を整え、免疫の過剰反応を抑える効果が期待できるとされています。即効性よりも、つらい症状を和らげるサポートという位置づけで語られることが多い方法です。
一方、SAATの提唱者は、治療後は花粉などの環境アレルゲンに耐えられるようになり、以前アレルギーを起こした食べ物や薬も摂取できるようになり、その効果が何年も続くと主張しています。対象も環境アレルギーに限らず、食物や薬のアレルギー、マダニが原因で起こる肉アレルギー「アルファガル症候群」まで含まれます。

使うツボの違い
日本の耳つぼケアでは、症状に合わせて決まったツボを使います。花粉症なら、鼻づまりや鼻水には「内鼻」、自律神経を整える目的で「神門」、目のかゆみには「目」といった具合です。しかし、SAATは耳の微小体系(耳を全身の縮図とみなす地図)の中にアレルギー・ゾーン(SAZ)を特定し、そのゾーンのうち肝臓の投影部位にある反応点を見つけて治療する、というものです。さらに、この肝臓投影部位で反応点を検出することで、アレルギーを起こしている物質そのものを特定できるとしています。


施術方法の違い
SAATでは、1つのアレルゲンにつき長さ3mmほどの極小の鍼を1本、軟骨を傷つけないよう皮下に通し、テープで固定して約3週間そのままにします。この間はそのアレルゲンを避けて過ごします。1回の治療で1〜3種類のアレルゲンを扱うクリニックもあります。
通常の耳つぼケアでは、指や綿棒による押圧、耳つぼシール、円皮鍼などを使い、症状の出る時期に何度か通うのが一般的です。

SAATを使ってのアレルギー治療を行っているカイロプラクター・鍼灸師のドナルド・リーベル氏は、SAATは症状を薬で抑えるものでも、アレルゲンに慣らして耐性をつけるものでもなく、免疫系が誤った判断をしないよう体内の電気的なやり取りを整えるものだと説明しています。ただ、この仕組みは科学的には確認されていません。

長年アレルギーに悩み、代替療法も試してみたいとお考えの方は、主治医と相談しながら選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。米国でSAATを行っている施術者のリストはこちらです(現時点で、日本国内でSAATを受けられる施設は確認できていません)。

参考文献

コメントを残す