今回は私のクライアント「ドナ」についての話をお伝えしたいと思います。ドナは70年代半ばの女性で、乳癌と診断され、同時にBRCA遺伝子2(がん抑制タンパク質を生成する遺伝子)を持っていることも告知されました。
特定のタイプの癌(乳房、卵巣、前立腺、腹膜、卵管)を引き起こす可能性があると言われるBRCA遺伝子を持っている患者のリスク増加に対処するため、初期の乳がんであり、片方の乳房だけに検出されたのにもかかわらず、彼女の腫瘍医は両乳房切除術(両胸の除去)と卵巣摘出術を勧めました。BRCA遺伝子を持っているという真実に直面することは容易ではありません。それに加えて、胸や卵巣を取り除くと言われることは、大変なショックです。でも乳房切除術と卵巣摘出術は担当の腫瘍医が持っているすべての知識に基づいて判断した最善の解決策であったんだと思います(そう願います)。
BRCA遺伝子の遺伝子検査は、近年になって一般に利用可能になったので、ドナがかかったどの医師も彼女がBRCA遺伝子を持っているとは考えていませんでした。しかし、彼女の主治医は、25年以上にわたり、閉経により中等度から重度の血管運動症状(更年期症状や更年期障)を治療するホルモン補充療法であるDIVIGELと呼ばれる薬を処方していました。ホルモン補充療法(Hormone Replacement Therapy -HRT) は10年以上にわたって論争を巻き起こしてきました。ホルモンの影響で増殖する子宮内膜や乳腺細胞由来のがんについては、がん化を助長するのではないかとの懸念が以前から出されており、多数の研究報告がなされてきています。アメリカ政府の医療機関、米国立衛生研究所(NIH)ではホルモン補充療法をすることによって乳がんリスクが増加すると発表したかと思うと、そのリスクを否定したりと、このあるないを繰り返し、現在では断固とした最終的総意は発表されていません。ドナの主治医はホルモン補充療法のリスク・ベネフィット率が個々の患者の特定の状況に依存していることを認識した上で、ホルモン補充療法薬を服用して気分が良くなるのであれば、継続して処方していいと判断したと私は思っています。
なのでドナが乳がんになってしまったことの責任はこの主治医あるとは一概に言えないと思います。がんとは複雑で、一般的にピンポイントで1つの原因と結果を追跡することはできません。最終的にはあなた自身が自分の健康の責任者であるのです。 私は、複数の角度からデータを見直し分析し、病気の根本的な原因を特定し、それをできるだけ自然な方法で治療してくれる素晴らしい機能性医師がたくさんいると思っています。しかし、ほとんどの機能性医師は健康保険を受け入れていないので、私達一般人は機能医師にかかれる余裕はありません。それに誰があなたの身体を一番よくわかってくれるかというとそれはあなた自身です。
従来の医学では治療法としてテキストブックに1つしか載っていないかもしれませんが、非従来型の医療(自然療法、代替療法など)では複数の治療法があるかもしれません。一般医師が進める治療をすべて受け入れる必要はありません。医者があなたに要約して説明していることだけでなく、医者が持っているすべてのデータを収集することをお勧めします。ドナの場合、彼女は乳房切除術と卵巣摘出術しか提供されませんでした。彼女には別の選択がありますか?もちろんです! 私が別のブログで言及したように、それはすべてエピジェネティクス―遺伝子発現に関するものです。 ドナの場合、彼女はBRCA 2遺伝子を持って生まれましたが、今まで活性化されていませんでした。 ホルモン補充療法はこの遺伝子を発現させた確率の高いアクチベーターではありますが、他の環境的および生活習慣因子がBRCA遺伝子を発現させた可能性も大いにあります。手術と化学療法の代替として、この映画のように自然療法及び代替療法が数多くあります。
最低一年に一度は綿密な血液検査を受け、例えすべての結果が基準範囲内にあっても目立った違いが前の結果と比べてあるかどうかを自分で管理することがベストです。また可能であれば、新しい食事療法を始めた時、新しい投薬を飲み始めた時、エクササイズ、仕事やキャリアの変更があった時、また事故・家族の喪失などを経験した時など、生活に変化があった場合はその事も追加してください。これで全体像が見えてきます。これらのデータはどんなお医者さんにとっても間違いなく役立ちます。
参考資料
https://www.telegraph.co.uk/science/2016/08/22/hrt-triples-the-risk-of-breast-cancer-longest-ever-study-shows/
https://www.scientificamerican.com/article/confirmed-link-breast-cancer-hormone-therapy/