2年前、異常な腸内細菌叢(ヒトや動物の腸内で一定のバランスを保ちながら共存している多種多様な腸内細菌の集まり。腸内フローラ。)を持つ新生児は喘息持ちになる可能性が高いというお話をしました。妊娠中に抗生物質を使用したり、帝王切開で出産し、また母乳でなく粉ミルクで育てると重要な腸内バクテリアが減ってしまい、異常な腸内細菌叢を作ってしまいます。そしてもしかしたらわが娘の腸内細菌叢は正常でないかもしれないのです。
呼吸機能検査(スパイロメトリー)では正常とみなされましたが、本人がうったえる症状から娘は喘息ではないかと言われました。娘は特に決まった時ではないのですが、たまに息苦しさや胸が締め付けられるような症状があると話しました。咳はなく、呼吸は「ゼーゼー」や「ヒューヒュー」という音もなく普通、夜も全く起きずに静かに寝れますし、友達とかけっこして遊ぶこともできるのです。なので私自身は喘息ということを認めたくない思いでした。専門医も100%確信しているわけではなく、とりあえず気道を広げ呼吸を楽にする長時間作用性β2刺激薬を処方しました。もちろん私は購入しませんでしたが。。。
娘は鎮痛剤不使用で自然分娩で産まれ、母乳だけで育っています。しかし今まで3回抗生物質を使用しました。1回目は出産の時、私に抗生物質が打たれました(B群レンサ球菌感染症はなし)、2回目は出産後に抗生物質の点眼(これは全ての新生児に打たれます。)、そして6歳の時、学校の休み時間に1つ上の生徒とぶつかり目の骨の手術をした時に抗生物質が使われました。その他の薬といえば生後10か月の時に高熱を出し、薬局で売っている解熱剤を飲ませたことぐらいです。
私は、胎児の血流または母乳に入る抗生物質は、必然的に赤ちゃんの常在微生物の組成に影響を与えると強く信じています。腸内は⺟体にいる状態では無菌ですが、出⽣と同時に産道や空気、環境、周りの⼈間の肌の接触や母乳などによって細菌が侵⼊し、産まれて最初の3年間で、そのヒト独⾃の腸内フローラができあがると⾔われています。そしてこの重大な期間は、幼児期、思春期、成人期、および老齢期に展開するすべての生物学的プロセスの基礎を成し遂げています。
この3回の抗生物質使用により、娘が異常な腸内細菌叢を作り出してしまったという可能性はないとも言い切れませんが、それに伴い食物に含まれるレクチンが発破をかけているのではないかと思うのです。レクチンは、ほぼすべての植物および動物に見出される一種のタンパク質で、体のほとんどの細胞の表面をカバーする多糖類と呼ばれる糖分子に結合します。レクチンは昆虫や害虫から身を守るために自分で備えている毒で、昆虫の代謝を不安定にし、酵素活性を妨害し、腸の保護、消化、および分泌機能を妨害することにより、昆虫の攻撃に対する有効な生物学的作用物質として作用されるのです。
娘が息苦しいとうったえ始める前に足の裏の皮が剥けるという皮膚病になっていました。医者に診てもらうと水虫と言われましたが、処方された塗り薬は使わず、食生活から来ていてるのではないかと思い、レクチンを多く含む食べ物を抜いた自己免疫疾患ダイエットを2か月続けたところ、足はすっかりきれいになったのです。
腸には栄養素の消化吸収を行なうだけでなく、免疫機能もあります。腸管で働く免疫機能とは、食べ物と共に入ってくる異物(病原菌や毒素など)を排除し必要なものは取り入れ常に生体を守るシステムです。腸管は食べ物と一緒に入ってきた様々な有害物質に絶えずさらされていますが、腸壁にはパイエル板のような免疫細胞が集中しており、ここで、外敵菌や有害物質をすばやく識別して排除するのです。人体最大の免疫器官と言われています。そして腸内環境が善玉菌と悪玉菌それぞれが上手く保たれていればこの腸管の免疫機能も負担なく上手く作動しれます。そして腸管ではプラズマ細胞から分泌型免疫グロブリンA(s-IgA)が分泌され、上皮を貫通し、上皮の表面に分泌されて、抗原や病原性細菌を捕まえてそれらが上皮に接着するのを防止します。腸管のs-IgAは全身のs-IgAの約80%を占めています。
しかし、抗生物質使用により腸内環境のバランスが悪くなり、また微絨毛の頂上部に付着しているグリコカリックス(糖皮)は細胞内への栄養素の輸送を担当しているがこれも弱くなってしまい、SIgAの生産も減ってしまうのです。分泌免疫グロブリンA(SIgA)の喪失により、細菌、ウイルス、寄生虫およびイースト菌などの腸内感染に対してより脆弱になり、治療に耐性となってしまいます。そして毒性を持つレクチンに対しても敏感になってしまうということなのです。
なのでこれから娘はレクチンを多く含む食材をさけた食生活をし、喘息のない子供になってもらわないとなんです。もうすぐ8歳になる子供に食生活を変えさせるというのは簡単なことではありませんが、何もせず放っておいた結果どうなってしまうのかと考えるとこれは避けられる道ではありません。皆さんも大きな病気へと進行する前に止める努力を惜しまないでくださいね。