ビタミンDについては色々なところで取り上げられていますね。ビタミンDはこれまでも体へのカルシウムとマグネシウムの吸収の調節に欠かせない栄養素と知られ、欠乏すれば骨の健康の維持ができなくなり、筋力低下や「くる病」を招いたり、骨粗しょう症を引き起こすとされてきました。しかし、ビタミンDの効能はそれだけではないのです。ビタミンDはビタミン群にあるEやCと同様に必須栄養素として分類されていますが、実はわたし達の体にある複数の遺伝子の調節機能を提供しているホルモン物質なのです。
ビタミンDの研究者として有名なロバート・ヒーネイ医師はわたし達の体にある各細胞には外部からの刺激を対処するために必要な情報がつまった独自のDNA収蔵庫があり、そのDNA収蔵庫にアクセスする鍵はビタミンDであると述べています。例えば女性の乳房内の細胞はエストロゲンへの応答を可能にするDNAにアクセスするのにビタミンDが必要となるのです。ビタミンDは非常に多くの異なる組織で機能していて、様々な病気や健康状態に大きく影響を与えます。これまでのところ、科学者はビタミンDによって調整されている遺伝子を約3,000個発見しています。
ビタミンD欠乏は骨に限らず、様々な病気、例えば風邪またはインフルエンザから慢性疾患である心臓病やガンという重い病気にも関係していると言われています。ご存知の通り、ビタミンDは日光浴またはサプリメントで摂取するしかできないので、個人個人のビタミンD量をきちんと知っておくことが重要です。なので年に一度の健康診断でビタミンDの数値も必ず調べてもらうようにしましょう。理想的な数値は50-70(ng/ml)です。(25-Hydroxy Dと表示される) なので数値が50以下であれば「不足」となるので、日光浴またはサプリメントを摂る様にこころがけましょう。
一般的にわたし達黄色人種は白人よりも色が濃いので、その分余計にビタミンDが必要となります。皮膚の色がもともと濃い人、すでに日焼けして黒くなっている人は、黒くなったメラニン色素がUVBを吸収するのでビタミンDが生成されにくくなっています。また、加齢が進むと皮膚でのビタミンD生成力が低下するので、60歳を過ぎた方は、サプリメントから摂取するほうが確実です。紫外線を浴びるとすぐ赤くなり、黒くもならず元に戻ってしまう肌質の人は日光浴に向いていませんので、サプリメントをお勧めします。
サプリメントで摂取するべき量ですが、Vitamin DのRDI(Recommended Daily Intake)は600IUと言われていますが、多くの専門家は1日に4,000IUから5,000IU必要と述べています。しかしサプリメントで摂取する値はかかりつけの医師と相談して判断してください。