神経って凄い!

私が子供のころ、母が自律神経失調症になり、「自立」できない病気なのか~と思ったことがありました。笑 また大学時代には「私今“ふわふわ病”なの」とテストとペーパー提出に追われていた友達が言っていました。ようするに身体の活動を活発化させる「交感神経」とリラックス状態を促進する「副交感神経」のバランスが崩れてしまっていたんですね。交感神経も副交感神経も身体の無意識の機能を管理する自律神経に属しているので、中々管理するのが難しいかと思われますが、とっても重要なんです! 特に脳神経の中ではもっとも長く、驚くほど広範囲をカバーしている迷走神経についてお話したいと思います。迷走神経の障害で多くの疾患との関係が確認され 迷走神経刺激療法による治療に関する論文も急増しその重要性に注目を集めています。

迷走神経は、身体の重要な機能を静かに指揮し、調節してくれています。 また速効性と長期的な効果の両方で、さまざまな問題に対処できるように待機しているんです。 迷走神経は脳から発生し、全身を巡りながら、さまざまな臓器系に多数に枝分れしてきわめて複雑な経路を示すのでこの名がつけられたのだそうです。

迷走神経を刺激すると、うつ病や不安症の症状が緩和され、ストレスに対する回復力が高まります。走神経を活性化すると、ドーパミンが放出され、 セロトニンと、セロトニンの前駆体である5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)のレベルも高くなり、感情的適応の向上や社会的機能の強化など、生活の質の改善につながります。健康な迷走神経は、鋭い認知機能や創造的思考にも関連していると言われています。

心臓と肺

迷走神経は心拍数と呼吸を安定させ、すべての組織に安定した酸素が供給されるようにしています。血圧や心臓のリズムなど心臓血管の環境を感知し、調節してくれるので、 迷走神経は「心臓と脳をつなぐ主要な導管」と言われています。迷走神経はまた、肺から脳に感覚情報を送る主要なメッセンジャーでもあり、気道の筋肉の収縮と弛緩を制御し、呼吸の速度と深さの両方を調整してくれます。

腸と膵臓

迷走神経はエネルギーの使用、消化、食欲を調整しています。 胃腸の動きを制御し、食べ物を適切に消化するために必要な胃酸の分泌を促進します。そして空腹や満腹のタイミングを知るのに役立っています。水分や塩分など、体が必要とするものを感知するのに役立ち、食物アレルゲンや毒素から危険を察知することもできるのです。 さらに、迷走神経はインスリンの分泌を調節し、血糖値とグルコースの貯蔵をコントロールしてくれます。

免疫系

迷走神経は免疫系とも密接に関わっており、免疫応答の調節にも重要な役割を果たします。迷走神経を通じたシグナルは、炎症反応を制御し、過剰な免疫応答を抑えることで、自己免疫疾患や慢性炎症状態のリスクを減少させる可能性があります。

迷走神経の健康状態をモニターする にはどうしたらよい?

迷走神経の機能を正確に評価するためには、心拍変動(HRV: Heart Rate Variability)の測定が最も有効で、かつ手軽に行える方法として広く利用されています。この変動は、呼吸や自律神経系からの他のシグナルに反応して自然に変動します。 一般に、HRVが高いほど迷走神経緊張が強く、迷走神経機能が優れていることを示すと言われています。スマートウォッチには心拍計機能がついていますが、個人的には常にEMFに暴露されているスマートウォッチはおススメできません。測る時だけ着用するような心拍計がよいと思います。また健康診断で心電図検査を受けることをおススメします。

どのようにして迷走神経機能を改善できる?

迷走神経は腸とつながっているため、食物繊維を豊富に取ったり、発酵食品を定期的に摂取して腸内環境を改善することが重要です。もちろん適度な運動、十分な睡眠、自然な日光を浴びて体内時計をリセットして、生活リズムを整えることも不可欠です。そして手軽にできることはハミングや口笛を吹いたり、歌をうたったり、楽器を演奏する振動療法というものあります。深いリラックス状態に導く瞑想やヨガも迷走神経を活性化します。また一番簡単な方法は呼吸法です。ゆっくりと深く息を吸い、腹部を膨らませるようにする腹式呼吸を1日に数回するとよいと言われています。4-7-8呼吸法というのもあり、4秒かけて吸い、7秒息を止めます。そして8秒かけて息を吐くという方法です。最近発見したシューマン共振という周波数の音楽を聴くのもおススメです。シューマン共振とは地球の地表と電離層との間で極超長波 (ELF) が反射をして、その波長がちょうど地球一周の距離の整数分の一に一致したものをいうそうです。

迷走神経の役割を理解し、効果的に刺激する方法を学ぶことで、より大きな落ち着き、癒し、回復力を得ることができると思います。みなさんも是非できることから始めてみてください。

参考文献

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9656367/

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6070065/

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36641366/

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