金属製の医療機器

アメリカではとても一般的と言われる「ヒップサージェリー」、日本では人工股関節置換術と言われています。人工股関節置換術は壊れてしまった関節を“器械”である“人工の関節”に置き換える治療で、元の病気が治るのではなく、器械の力を借りて痛みの無い関節でしっかりと体重を支え、安定した歩行を再び 取り戻すことが手術の目的です。多くの高齢者にとって、人工股関節置換術は、歩行及び運動能力を取り戻すための画期的な手術であり、その後の生活を満喫している人が多々いらっしゃいます。しかし、その使用する素材によっては致命的な結果を招くかもしれないのです。

この技術が開発されたころの人工股関節は、金属製の「ボール」とポリエチレン(プラスチック)製の「ソケット」を使用するのが一般的でした。しかし1966年に股関節の「ボール」と「ソケット」の両方に、コバルトとクロムを含む合金を使用したMetal-on-Metal (MOM)という素材が紹介されました。このMOMで作られた人工股関節は従来使われていた金属とプラスチックの関節よりも摩耗が少なく耐久性に優れ、大腿骨頭(ボールとソケットの「ボール」の部分)を大きくできるため、患者の安定性や可動域が広がり、脱臼の可能性が低くなるなどの利点があると考えられていました。

しかし、通常の摩耗や損傷から生じる摩擦によって、金属粒子は周囲の組織や血流に流出します。これらの粒子が蓄積されると、コバルトの血中濃度が上昇し、視力・聴力低下、末梢神経障害、甲状腺機能低下症、心筋症などの重大な臨床的後遺症のリスクがあると言われています。またコバルト毒性をもつ患者には重度の胃炎、乳酸アシドーシス、糖尿病性消耗症も見られることがあるそうです。そして人工股関節置換術をする人は高齢者が多いので、手術後何年か経って痴呆症やアルツハイマー型認知症が発生しても原因がわからないまま、薬漬けになる可能性も大という事が起こっているのです。

アラスカに住むステファン・タワー医師は、複雑な人工股関節置換術を専門とする整形外科医です。その専門医師の彼が患者と同じ人工股関節置換術をし、その後に異常な症状が発生した時に非常に驚いたそうです。 手術から数か月後、自分の手の震えに気づいたのです。また耳鳴りがするようになり、思考が混乱し、繰り返して話すようになりました。そしてある医学会に出席した時、タワー医師は精神に異常をきたし、宿泊先のホテルの部屋を荒らし回ったそうです。その後病院で検査したところ、血液中のコバルトの量が通常の100倍もあることが判明したのです。 そしてタワー医師は人工股関節機器を交換するために再び手術を受けました。その手術を行った外科医は「(タワー医師の)股関節の周囲の組織は真っ黒でした。ASR股関節から漏れたコバルトはメタローシスと呼ばれる症状を引き起こし、周辺の筋肉、腱、靭帯だけでなく、タワー博士の心臓と脳にも害を及ぼしていました。」と述べています。

タワー医師は、その後自身の症例と同様の症例に関する広範な研究を経て、コバルトを使用した人工股関節による金属中毒の結果生じた一連の神経症状を「関節形成術コバルト脳症」(ACE)と名付けました。ACEと診断された患者のうち、手術後から症状が発現するまでの期間は約7年で、ACEの症状は通常、股関節の症状(痛み、脱力感、クリック感、ゆるみなど)が起こる1年前に起こっていたそうです。さらに、自分の患者の血中のコバルトレベルを調べた結果、MOMでなくてもコバルトクロム合金を使った人工股関節置換をしている人はコバルトレベルが高くなんらかの症状を抱えていることがわかりました。 「関節形成術コバルト脳症」ではないかと思われたら、コバルトの数値を血液または尿検査で調べてみてください。 一般に、コバルトの数値が4ppb以下であれば心配ないとされており、外科医によってはコバルトの数値が7ppb、あるいは10ppbを超えるまで、さらなる検査を指示しないこともあるようです。しかし、タワー医師によると、1ppbの測定値でもコバルトによって深刻な神経学的問題を抱える可能性があることを発見しました。

なので、人工股関節置換術(肩や膝も同様に)を勧められた場合、コバルトクロム合金の部品を体内に使わずに別の選択がないか調べてみることをお勧めします。タワー医師はコボルトの股関節を、プラスチック製のソケットとセラミック製のヘッドを持つものに交換しました。 交換手術が難しいようであれば、重金属と結合して尿として排出できるようにするキレート剤を点滴するキレーション療法(鉛中毒にのみ「FDA承認」)を行う医師もいますので、医師と相談してください。

参考文献

https://www.netflix.com/title/80170862

https://medtruth.com/articles/patient-stories/cobalt-toxicity-the-poison-in-her-hips/

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