ビタミンB12の必要性はよく話がでてきますが、ビタミンB3、ナイアシンの効能についてご存知ですか? 2015年に発行された「ナイアシン:その真実とは(Niacin: The Real Story)」にはナイアシンの素晴らしい効果が沢山書かれています。この書物だけでなく、ナイアシンの使用と効果については、1943年以降PubMedに掲載された7,000を超える公表文献に記載されており、またその別名である「ニコチン酸」としての公表文献は35,000を超えています。この本の著者の1人であり、ナイアシン研究については第一人者と言われるアブラム・ホッファー医学博士の研究レポートについて絶賛する医学博士や、医者は沢山いますが、もちろんホッファー氏の論文の内容を否定する人も多くいます。年間1兆ドル規模の製薬業界にとって、安価で、処方箋不要で、安全なナイアシンは好ましくないのです。効かないから攻撃されているのではなく、実際に効くから攻撃されていると言われています。ナイアシンは統合失調症、アルコール依存症、高コレステロール、非アルツハイマー型認知症、心血管疾患、癌、関節炎、子供の学習障害、また若年性糖尿病に効果的で、そのエビデンスやメカニズムも証明されています。
同書の著者の1人でもあるアンドリュー・W・ソール博士は、まず、自分でナイアシンを試してみて、どのように感じるか観察してみるとよいと言っています。健康ではあるが、ちょっと落ち着かないとか、夜なかなか寝付けないとか、少し心配性があるという人は、ナイアシンを500ミリグラム、朝食、昼食、夕食に摂取するとよいと言います。しかし、ナイアシンの服用によりホットフラッシュ(紅潮)や痒みの症状が発生する(30分から60分程度)人もいますので、最初の服用は100ミリグラムずつから始めるのがよいという栄養治療医も多々います。しかしながら、ナイアシン紅潮は健康に有益な効果をもたらすとされているので、あえて避ける必要はないそうです。
このナイアシン紅潮のメカニズムというのはソール博士によると「ナイアシンは、高親和性Gタンパク質共役型受容体であるGPR109aおよびbを特異的に活性化し、その結果、様々なプロスタグランジンが放出されて、紅潮反応が起こるのである。」だそうです。ちょっと専門的な言葉が連なったのですが、要するにナイアシンが特定のたんぱく質と反応し、プロスタグランジン(炎症反応などの多彩な生理作用を及ぼす脂質代謝産物)が増加し、血管を拡張させ、血流が増加して皮膚が赤くなったりするということです。
この紅潮を避けたい人は通常のニコチン酸ではなく、ナイアシンアミド(ニコチン酸アミド)というアミド型のを服用するとよいでしょう。ただ高コレステロールの低下は助けてくれません。また徐放性ナイアシンは紅潮を起こしませんが、動脈硬化の予防や治療には効果が低く、肝酵素の上昇をもたらすことがあると言われています。なので、普通のニコチン酸を少量から服用していくのが賢明かと思います。
私はこちらのニコチン酸を150mg朝の空腹時に服用するとすぐに紅潮がでますが、食事の後ですと何も症状はでません。また私の経験からいうと紅潮は心配するほどのことではないです。お肌がピリピリして、顔や体が赤くなりますが、そのうち(30分から1時間後)ひいてくるので、最初の一杯のお酒を飲んだ時に赤くなる感覚でいます。 人それぞれ体質が違うので、色々と分量や時間を変えて試してみてください。また持病の治療としてナイアシンを試してみたいと言う方は必ず専門医(栄養治療医、機能性医療などの)と相談してから服用してください。
参考文献
http://www.doctoryourself.com/omns/v09n07.shtml