
今までに何度となく日常生活の中に存在する有毒化学物質が深刻な病気につながることについてお話してきましたね。私たちは便利さを求めてきましたが、それには副作用がついてきました。インスタントラーメンや冷凍食品のおかずには沢山の添加物と聞いたこともない化学物質が使われています。すごい勢いで設備されている5G(第5世代移動通信システム)の通信テクノロジーは電子レンジの中にいるような状態をつくりだしています。またフラップチーノのカップからお弁当の入れ物そしてマイクロファイバーのフリースまでが海を汚染しているのです。先日夫が友人の飼っていたいた鳥の話しをしてくれました。Qという名前のインコはテフロン加工のフライパンからでた煙で死んでしまったのです。テフロンの煙で鳥が死ぬというのは有名な話しなのに、今だにテフロン加工のフライパンを使っている人たちがいるんです、「便利だから」という理由で。そしてすごい勢いで患者数が増えているセリアック病も有毒化学物質が絡んでいるんです。
セリアック病は長い間、比較的まれな病気と見なされてきました。 1990年代、米国のセリアック病2500人に1人の割合でしか存在しませんでしたが、現在ではアメリカ人133人に1人、世界で100人に1人にまで増えています。セリアック病は、グルテンの摂取が小腸の損傷につながる遺伝的素因のある人々に発生する深刻な自己免疫疾患であるとセリアック病財団は主張していますが、セリアック病患者が急増したこの30年の間に人の遺伝子が変化したというのはおかしいと思いませんか?
今年5月米ニューヨーク大学医学部の研究チームは「Environmental Research」のオンライン版で殺虫剤や調理器具など、さまざまな製品に使われている有毒な化学物質と、小児や若年成人のセリアック病発症リスクとの間に関連が認められたとする研究結果を発表しました。
その内容は;
①殺虫剤として使われているDDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)の代謝産物であるDDE(ジクロロジフェニルジクロロエチレン)の血中濃度が高い女性は、高くない人と比べてセリアック病の発症リスクが8倍以上。
②調理器具の表面加工などで使われているフッ素樹脂の一種であるPFA(パーフルオロアルキル)の血中濃度が高い女性はセリアック病と診断されるリスクが5~9倍高い。
③臭素系難燃剤の一種であるPBDE(ポリ臭化ジフェニルエーテル)の血中濃度が高い男性において、セリアック病と診断されるリスクが2倍高い。
これらの化学物質はすべて、人間の作業を容易にするために開発されており、私たちはほぼ毎日これらの化学物質にさらされてきています。外食ばかりの食生活、また自炊でもほとんど有機食品を使っていないのであれば、農薬が毎日あなたの体に蓄積されていくのです。PFAは調理器具だけでなく、フライドポテトなど、油を含む食べ物の包み紙にはフッ素系撥水撥油剤が処理されており、水や汚れを弾くという防汚カーペット、ラグ、家具などのにも使用されています。そのため、PFASを含む製品の製造により、食品、空気、さらには飲料水さえも世界的に汚染されているのです。PBDE(ポリ臭化ジフェニルエーテル)は、家庭用電化製品、家具、およびマットレスで使用される工業用の有毒な難燃性化学物質です。PBDEは米国では生産されなくなりましたが、家の中や他の場所にはまだまだPBDE製品が存在しています。
セリアック病は単なる消化器系の病気ではありません。セリアック病は小腸に重大な損傷を与え、絨毛を平らにし、粘膜を炎症させます。絨毛が損傷すると、栄養素が体内に適切に吸収されなくなります。そして重要な栄養素を吸収できないと、貧血、骨量減少、うつ病、神経障害、皮膚の発疹など、さまざまな症状が現れます。体が出している危険信号に注意を払わず、セリアック病を治療せずに放置すると、体が崩壊して深刻な合併症を引き起こしてしまいます。
ここではセリアック病を取り上げましたが、とにかくどんな商品でも購入する前に、何が入っているのか、何で作られているのか調べてみてください。残念ながら、人体また環境にやさしい製品は決してお手頃ではありません。でも長い目で考えればあなたとあなたの家族の健康に対する大きな投資になるでしょう。そしてそれは値段をつけられないほど貴重なこと。
参考文献
https://www.sciencedaily.com/releases/2020/05/200512134512.htm
7 Serious Complications of Untreated Celiac Disease