脂肪が多すぎ?

steak高脂低炭、ケトジェニックダイエット、日本で言われる糖質制限ダイエットはアメリカだけでなく、様々な国で流行りのダイエットですね。特にアメリカでは2015年の2月に米国食物ガイドライン諮問委員会が食物に含まれるコレステロールはもはや「懸念の栄養素」ではないと公表してからは凄いブームになりました。今まで遠慮していたベーコン、卵、ステーキ、バター、チーズ、クリームやラードなど脂たっぷりの食べ物が大人気に。体重が落ちる、2型糖尿病が治る、生活習慣病が改善するなど色々な効果があると言われていますが、糖質制限ダイエットは本当に私たちを健康にしてくれるのでしょうか?

常にお話していますように、1つのダイエットが全ての人間に合うとは言えません。私たちの体とその人に合った食事というのはその人の遺伝子と遺伝子発現に基づいているので、それぞれ変わってきます。なので糖質制限ダイエットで体調が改善される人がいる中、他の誰かは深刻な健康状態を発症するかもしれません。

脂質の数値
一般的に、糖質制限ダイエットは中性脂肪の低下と善玉コレステロールと言われるHDLの増加を促進します。と同時に総コレステロールと悪玉コレステロールと言われるLDLが増えることも多くあります。数字が極端に大きくない限り、総コレステロールとLDLの数値が上昇することで心配する必要はないと言われています。特にLDLのサイズが大きくてフワフワしている場合は数値にこだわらなくても大丈夫なのです。しかし、一般的な数字の変化とは逆で糖質制限ダイエットを続けていると中性脂肪が急激に増加してしまうひともいます。中性脂肪は、LDL粒子とHDL粒子の両方に保存されている脂肪酸の総量を測定します。中性脂肪値が高いほど、血液中の両方の粒子タイプに保存される脂肪酸が多いと言われます。なので、中性脂肪値が上がり続けるようであれば、糖質制限ダイエットは中止すべきかもしれませんね。

腸の問題
糖質制限ダイエットをする人の中には果物、穀物、豆類、でんぷん質の野菜など、糖質が多いからと繊維質のある食材を一切取らない人もいますね。食物繊維を少なくすると、腸内細菌に重大な変化が生じ、炎症、便秘、下痢を引き起こします。高脂肪食を摂取している217人を対象としたある6か月間の研究では、炎症の増加や有益な脂肪酸の減少など、腸内細菌の濃度と組成に損傷が見られました。さらに糖質制限ダイエットでの限られた食品の選択肢には、多くの場合乳製品が使われ、必要以上に摂取していたりしますね。チーズや乳製品の多くは、消化不良、ガス、膨満感を引き起こす可能性があります。

甲状腺
甲状腺ホルモンは成長を促進させたり、体温調整、酸素消費の増加、代謝機能など様々な作用をもたらしてくれます。甲状腺からは主にT3(トリヨードサイロニン)とT4(サイロキシン)の2種類の甲状腺ホルモンが分泌されます。T3は、80%が末梢組織で脱ヨード化によるT4からT3への変換で合成されますが、脂肪が多い食事を続けていると、T4を活性ホルモンT3にするのを妨げる可能性があると言われています。T3は、エネルギーを与え、体重、消化、代謝に影響を与える甲状腺ホルモンです。糖質制限ダイエットは、特に女性に持続的なストレスがかかり、高いコルチゾールを生成されてしまいます。ストレスとコルチゾールの量が多いためにしばしばリバースT3と呼ばれる甲状腺ホルモンが増加し、T4からT3への変換を困難にしてしまうのです。

インスリン抵抗性
糖質制限ダイエットを始めるとすぐに体重が減ったり、血圧が下がったり、血糖値が下がるなどの効果がでて、ソーシャルネットワークサイトなどで写真をポストしたりしていますね。そして糖尿病予備軍また2型糖尿病を持つ人はヘモグロビンA1C(「HbA1c」とは、血管の中でヘモグロビンがブドウ糖と結合したもののこと)が平均値枠までに減ると、病気が治ったと大喜びしている人たちも少なくありません。完治?という事もありえなくありませんが、多くの専門家は糖負荷試験(oral glucose tolerance test: OGTT)をすれば完治してないことが判明すると述べています。糖負荷試験とは、ブドウ糖を含む飲み物を飲ませ、一定の時間ごとに採血し、血糖とインスリンの変化を調べることで糖尿病にかかっているかどうかを診断します。これはよく妊婦の人が妊娠6ヵ月頃にする検診の1つですね。

研究によると糖質制限ダイエットを続けている人が糖負荷試験をすると異常に血糖値が上がり、正常値に戻るのに時間がかかると言われています。つまり、血糖値を正常に戻すために、体はより多くのインスリンを必要とします。そしてこの状態をインスリン抵抗性と言います。インスリン抵抗性はインスリンが分泌されても働かないので肝臓 筋肉などの細胞にグルコースが取り込まれず血糖が下がらず、そのため 膵臓のβ細胞はさらに過剰にインスリンを分泌し高インスリン血症になります。これらの研究者は糖質制限ダイエットを長期にわたって続けているとインスリン抵抗性が発生し、やがては2型糖尿病へと発展してしまうであろうと懸念しています。

脂肪やタンパク質を多く含む低炭水化物食をしていると、エネルギーのために脂肪酸が燃焼しますが、筋肉や肝臓などの組織にも蓄積します。そして筋肉と肝臓が脂肪酸を蓄積し始めると、グルコースエネルギーが入らないようにインスリンを拒否し始めます。そしてインスリン抵抗性を生み出し、血糖値が下がりにくくなってしまうというわけです。

というわけで、糖質制限ダイエットを始めようかと考えている方、また続けている方は3か月毎に上記で述べた数値だけでも検査するようにしてください。そして血糖値測定器で1日に何回かは血糖値を測ってくださいね。また糖負荷試験のように糖質(バナナなど)を1度とり、1時間後、2時間後、3時間後の血糖値も調べてみてください。そうです、以前にも述べましたが、糖尿病でなくても血糖値測定器は是非購入してくださいね~!

参考文献

Guest Post – Troubleshooting Health Issues as a Carnivore

Ketogenic Diet and Hypothyroidism


https://www.healthline.com/nutrition/low-carb-and-womens-hormones#section3
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2903931/
https://www.thepaleomom.com/adverse-reactions-to-ketogenic-diets-caution-advised/
https://nutritionasiknowit.com/blog/2015/04/a-tale-of-low-carb-diets-and.html
https://www.physiology.org/doi/full/10.1152/ajpendo.00453.2013

Cyclic Ketogenic Diet and Blood Glucose, HbA1c, Fructosamine, and Insulin


https://www.nature.com/articles/nutd20162
https://www.cookinglight.com/news/is-the-keto-diet-heathy-diabetics
https://www.genengnews.com/news/ketogenic-diet-may-increase-risk-of-type-2-diabetes/
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4775822/
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2980360/

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中