EBウイルスが悪さをしている?

EBV

自己免疫疾患の病気は年々増えているようですが、その原因が解明されているものは殆どないのが現状です。なので原因不明の病気はすべて自己免疫疾患に当てはめようとしているのではないかと思ってしまうのです。しかし、自己免疫疾患と「キス病」として知られているEBウイルスの関連性を実証するいくつかの研究があります。驚くかもしれませんが、35歳までにほぼ全員がEBウイルスに感染するのです。というのもEBウイルスは同じカップや歯ブラシを使ったり、キスや飲み物また食べ物を共有することで唾液によって拡散するからです。したがって、EBウイルスに感染しないことは現実的にあり得ないのです。

 

EBウイルス

EBウイルスはヘルペスウイルスファミリーの一部であり、単核球症を引き起こす関連ウイルス(水疱瘡、熱の花=口唇ヘルペス、性器ヘルペス、帯状疱疹を引き起こすウイルスなど)の分類であり、体から根絶または治癒されることはありません。多くの人は具合が悪くなるわけではないので、自分がEBウイルスに感染していることに気付いていません。そして一度感染すると、ウイルスは永久に隠れてしまいます。

免疫システムの機能が堅牢である限り、ウイルスは一般に重大な問題を引き起こしません。ただし、ストレス、食生活や生活習慣乱れ、また農薬・製薬などの化学薬品による毒化などの重要な要因によって免疫系が破壊されると、EBウイルスが再活性化して単核球症に似た症状を引き起こすのですが、それがさらに悪さをします。

 

新研究

「自己免疫疾患とEBウイルス」とオンライン検索(英語)すると、自然遺伝学雑誌、ネイチャー・ジェネティクス(Nature Genetics)に載った研究が多数でてきます。今までも沢山の自己免疫疾患とEBウイルスの関連性が書かれたレポートありましたが、この研究は、EBウイルスによって生成されるタンパク質は、7つの自己免疫疾患に関連する多くの遺伝子と相互作用することを発見したのです。その7つの疾患とは全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性硬化症(MS)、関節リウマチ(RA)、若年性特発性関節炎(JIA)、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病と潰瘍性大腸炎、セリアック病、1型糖尿病です。

私たちの日々の健康を維持できているのは、病気から身を守るために多くの細胞と器官が一緒になって身体を保護する防御のシステムがおのずと働いているからです。その防御システムである免疫系で中心的な役割を果たしているのは血液中の白血球ですね。リンパ球と呼ばれる白血球の1つは、侵入者を覚えて破壊する働きがあります。そしてリンパ球にはB細胞とT細胞の2種類あり、B細胞はすべての細胞の特定の抗原に対して一致したユニークなタンパク質の抗体を作り闘います。ウイルスや細菌の感染が発生すると、私たちの体は免疫系内のB細胞に命令して抗体を出し、侵入者と戦います。しかし、EBウイルス感染が発生すると、異常なことが発生するのです。

この研究でEBウイルスがB細胞とその通常の役割を取って代わって引き継いでしまうことを発見しました。これには、細胞が体内でどのように作用するかを決定する遺伝子も含まれます。EBVがB細胞を引き継ぐと、予想外の方法で遺伝子発現のスイッチのオンとオフを切り替えることができます。EBウイルスはこれを行うために転写因子を使用する場合があります。転写因子は、特定のDNA配列に結合し、それによってDNAからmRNAへの遺伝情報の転送(または転写)を制御するタンパク質です。そして転写因子は、遺伝子の発現を制御するという基本的機能を持ち、遺伝子の転写を活性化あるいは逆に不活性化することで、細胞内の多くの反応で重要な役割を果たしているのです。

EBウイルス核抗原―2(Epstein–Barr virus nuclear antigen 2 = EBNA-2)という転写活性化因子のたんぱく質が関与していて、感染したB細胞の機能と、感染した細胞に対する体の反応を変える働きがあります。これらの転写因子のEBNA2関連クラスターが遺伝コードの一部に付着すると、ループスのリスクが高まり、それらの同じ転写因子がコードの別の部分に到達すると、多発性硬化症のリスクが高まるというような形で自己免疫疾患の病気が発生することが分かりました。

 

検査しよう

ほぼ全員がEBウイルスを持っていますが、自己免疫疾患と診断されるのは一部の人だけなので、多くの専門家は、スイッチをオンにする引き金となるいくつかの環境要因があると考えています。腸内微生物を台無しにする沢山の有毒化学物質を含んだ栄養のない食べ物を食べていたり、愛する人の死、見知らぬ土地への移転、転職、閉経などの主要な人生の変化を経験がウイルスを再活性化しやすく、ある種の自己免疫疾患を発症するリスクが高くなると言われています。

今回は特に触れませんでしたが、人気声優で歌手の松来未祐が慢性活動性EBウイルス感染症(Chronic Active Epstein-Barr Virus infection:CAEBVEB)でお亡くなりになられたように死に至る危険性も含むので、ウイルスの抗体検査をすることを是非お勧めします。

Kensa

EBウイルス抗体はVCA(外殻抗原)、EA-DR(早期抗原)およびEBNA(核内抗原)の3種類の抗原に対する抗体が存在します。VCAとEA-DRはEBウイルスが溶解感染を起こしたときに発現し、EBNAは潜伏感染したときに発現する蛋白です。EBウイルスの初感染ではVCA-IgM抗体が出現し、伝染性単核症の急性期に認められ、確定診断に利用されます。VCA-IgG抗体は既往感染で陽性となり、再活性化により異常高値となります。EBNA抗体は初感染の回復期から陽性になり持続的に検出されます。よって、伝染性単核症の診断では、VCA-IgM抗体とEBNA抗体または、VCA-IgG抗体のペア血清とEBNA抗体を検査します。再活性化したEBウイルスが慢性的に活動する慢性活動性EBV感染症では、VCA-IgG抗体やEA-DR-IgG抗体を検査し、血液中のウイルス量(保険未収載)を調べます。

  • EBV Antibodies to Viral Capsid Antigen (VCA)-IgM,
  • EBV Antibodies to Viral Capsid Antigen (VCA)-IgG,
  • EBV Antibodies to early antigen (EA-D)
  • EBV Nuclear Antigen Antibodies (EBNA-IgG)
  • EBV Nuclear Antigen (EBNA-IgM)

検査結果は免疫を専門としている機能的医学または自然療法の医師から詳しく説明してもらい、それに基づく治療法を考えていくことをお勧めします。そして下記の参考文献も読んでみてください。

 

<参考文献>

https://www.nature.com/articles/s41588-018-0102-3

https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/mononucleosis/expert-answers/mononucleosis/faq-20058444

https://themighty.com/2019/06/what-is-epstein-barr-virus/

https://www.mdmag.com/medical-news/can-epsteinbarr-virus-cause-autoimmune-illnesses

https://www.amymyersmd.com/2018/08/epstein-barr-virus-ebv-autoimmune-connection/

https://medicalxpress.com/news/2018-04-epstein-barr-virus-linked-diseases.html

How to Treat Chronic Epstein-Barr Virus Naturally

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