セミナーをすると多くの方から「食事からすべての栄養を得ることができますか?」とよく聞かれます。その答えはその人がどこに住み、どのような生活をし、何をどのように食べているかによって「できる」とも「できない」ともいえるのです。また遺伝的な要素も関係してきます。なので例えば最も公害の少ない自然の中で野菜、果物を栽培し、鶏、豚、牛などを育て自給自足の生活をしているとしましょう。そうなると断然食べている物からきちんと栄養が取れているといえるでしょう。
しかし先進国に生きる私達多くは食料品はスーパーマーケットや八百屋さん、肉屋・魚屋といったお店で購入しています。住んでいる場所によっては畑から取り立ての野菜や果物を売ってくれる農家があるかもしれませんが、すべての食料品というわけには行きませんね。お店で売られている青果物の多くは品種が改変され、棚で長くもち、傷ついたり、荒廃することないように生き延びるようになりました。 同時により多くの栄養素もなくなったと言われています。
またりんごは空気調整貯蔵で9か月から12か月も保存されて出荷されるそうです。新鮮に保たれているりんごからもしれませんが、中身の栄養素は同じなのか疑問ですよね。
化学肥料と害虫を駆除する農薬を組み合わせた化学農法は農地から微生物が激減することになり、問題は収量の減少以上に、野菜の栄養分が少なくなったことです。化学肥料は基本的に窒素とリンとカリウムで構成され、微生物が作るビタミンや鉄分、カルシウムなどの微量元素を含んでいません。そのためできた野菜は『栄養失調』となり、味も美味しくなくなってしまうと言われています。
また、マンネリ化した食生活を送っている人が非常にに多いと思います。意識的に健康的な食べ物を食べているけれど、おそらく毎晩鶏肉とブロッコリーやサーモンとアスパラガスを食べ、朝食はオートミールまたは卵のオムレツばかりを食べている。といった感じ。 だから、いろいろな食べ物を食べていないので、いろいろな栄養素も摂取できなくなっているんです。
しかし、たとえ栄養たっぷりの食事をしていても、ちゃんと体に栄養が入っているのかはどうかは消化機能の状態に影響されるということを認識しておいてください。重要なのは何を食べているかだけではなく、身体がちゃんと食べ物を分解し、消化して吸収することができるのかなのです。いつも身体に良い物を選んで完璧なダイエットに取り組んでいるのに、不健康な人が沢山います。食生活の見直しはもちろんのことですが、消化機能の改善を心がけていないと結局は健康を取り戻せないということになってしまいます。なので栄養の吸収というのが最も大切なのです。
そして気を付け頂きたいのが、お薬などで消化機能を抑えつけてしまうことです。特に原因を追究せずに市販の胃腸薬で胃酸を中和や分泌の抑制をしてしまうとあとから大変なことになってしまいます。ましてや常備しているとなると深刻な状態になり消化機能が低下し、栄養を吸収することが困難になってしまいます。胸やけや消化不良などの症状は胃酸の量が増えていると誤解している人が多いですね。胸やけや胃食道逆流症(GERD)は実際胃酸が少ないので現れてしまう症状なのです。そういう時はマグネシウムタウレートを飲むと、その焼けているような症状を取り除くのに役立ちます。
食物からすべての栄養素を得ることができるという考えは理論的には問題ありませんが、実際には事実上不可能です。 土壌と水分の枯渇、食物と環境毒素、栄養吸収不良、農薬、運動不足、そしてカロリー不足はすべて栄養不足の原因となります。 食物から栄養素を摂取することは、サプリメントよりも有益であるという証拠があり、最初に栄養豊富な食事に焦点を当てるべきという考えは変わりません。 しかし、実際それでけでは不十分なのです。
健康というのはただ単に頭痛がない、風邪を引かないなど病状がないということを意味しているわけではない事を忘れないでください。非常に良好な免疫系を持っていて、細胞レベルでそれを生産し、すべてを達成できる豊富な活力があり、良いホルモンバランスを持っていて、明確な思考力があるということなのです。
サプリメントすなわち栄養補助食品を摂るとなると個人的には総合ビタミン剤をまずお勧めします。というのもほとんどの人が理想的な食生活をしていないからなんです。次に必要なのがビタミンD3、オメガ3系脂肪酸のEPA・DHA、そして腸内環境を整えるプロバイオティクスです。決して巷の薬局で売っているような物は購入しないようにしてください。高品質でないと本当にお金の無駄になってしまいますから。