漏れた脳から認知症

最近最前線で活躍されてきた方達がアルツハイマー病やパーキンソン病といった認知症になってしまったという話をよく聞いたり、そのご家族の方にあったりします(若い人は50代で!)。私の祖母も最後は認知症になったので、他人事とは思えないなと悲しい気持ちで一杯です。また介護をなされているご家族の方の精神的そして肉体的苦労を考えるともっと辛くなります。事実大学院での卒業論文は認知症患者の介護人の負担について書きました。認知症でもっとも多く診断されるアルツハイマー病は今や「年寄り」だけの病気ではありません。若年性アルツハイマー病は64歳以下に発生し、アメリカではアルツハイマー病患者の5%が若年性アルツハイマー病と診断され、その年齢は40代50代にも見られます。YouTubeで見つけたビデオには31歳で妊娠中の女性が認知症と診断され、出産の時にはほとんど覚えていない状態になるのではないかと診断されています。厚生労働省の2015年1月の発表によると、日本の認知症患者数は2012年時点で約462万人、65歳以上の高齢者の約7人に1人と推計されています。また認知症の前段階とされる「軽度認知障害(MCI: mild cognitive impairment)」と推計される約400万人を合わせると、高齢者の約4人に1人が認知症あるいはその予備群ということになります。

認知症は発症まで20年かかるといわれています。つまり、68歳で発症したなら20年前は48歳。また若年性認知症を考慮するのであれば20代から意識しなくていけません。若年性アルツハイマー病の人の中には、遺伝によって起こる「家族性アルツハイマー病」も多いといわれています。アメリカでは18歳という若い年齢から脳、血液、また神経系にもアルツハイマー病の発症を予期する異変が見られたという研究結果がでています。なので、私たちは「予防」ということに重点を置く必要がありますね。

まずは認知症を招く原因というのに注目してみましょう。

医薬品
胸やけ、呑酸といった症状をもつ逆流性食道炎の薬として使われるプロトンポンプインヒビター(PPI)という薬の長期摂取
コレステロール低下薬
睡眠薬の長期摂取

疾患
内分泌障害、例えばアジソン病またはクッシング病
糖尿病 – 低血糖のエピソードを繰り返す
血液中のカルシウム濃度が非常に高い副甲状腺機能亢進症
甲状腺機能低下症(低レベルの甲状腺ホルモン)または甲状腺中毒症(非常に高いレベルの甲状腺ホルモンが体内に存在する)
肝硬変
ポルフィリン症

生活環境・生活習慣・食生活
脳損傷
鉛、ヒ素、水銀、マンガンなどの重金属暴露
アルコールの乱用
ビタミンB1欠乏症、ビタミンB12欠乏症、ビタミンD欠乏症、ペラグラ、栄養失調などの栄養障害

上記は3つの種別に分けていますが、殆どが食生活と生活習慣から招かれたものだということがお分かりかと思います。近年ハーバード提携研究チームは、腸内細菌が認知症のメカニズムである脳の炎症に影響することを発見しました。脳の炎症は脳細胞を殺し、徐々に脳を萎縮させ、認知症のリスクを高めると言われています。なので認知症を予防したい場合は、脳の炎症を防ぐ方法を学ぶ必要があるのです。

2014年ストックホルムのカロリンスカ研究所(Karolinska Institute)の研究者らは、腸内に細菌が存在しないマウスで血液脳関門を研究し、これらのマウスの血液脳関門が大幅に損なわれていることを実証しました。基本的には、「漏れた脳」と呼ばれる可能性のある状況であり、この漏れが成人期に至っても続きました。ところが、これらのマウスの腸に健康なマウスの細菌を含む糞便物質を接種すると、血液脳関門の透過性が著しく改善されたのです。

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このような腸と脳の関係についてはさらに多くの研究があります。私たちは健全なバランスの取れた腸が脳にとっても必要であるこということが理解できますね。

さらにケトーシスと認知症の関連についても多くの研究を見つけることができます。今まで、いくつかのニュースレターやブログで良い脂肪について話してきましたが、これは高脂肪食の大きな利点の1つです。ケトン生成食は、主としててんかんの対症療法のために80年以上にわたり臨床的に使用されてきました。私たちの脳は筋肉と同じように、適切に機能するためにはエネルギーを必要とします。 神経細胞と筋肉の両方は、空腹時または低炭水化物の食事時などのブドウ糖が不足しているときに代替燃料源としてケトンを代謝する独自の能力をもっています。軽度の認知障害を持つ23人の高齢者を対象とした研究によれば、ケトン生成食を続けたグループと標準的な高炭水化物食を取りづづけたグループと比較したところ、6週間後にケトン生成食グループは言語記憶能力を改善したと発表されています。また別の二重盲検法(実施している薬や治療法などの性質を、医師(観察者)からも患者からも不明にして行う方法)、プラセボ対照(偽薬)試験で、軽度から中等度のアルツハイマー病を有する152人の患者に、正常な食事を維持しながらケトン生成剤またはプラセボのいずれかを投与しました。そして90日後、ケトン生成剤を摂取した患者はプラセボと比較して顕著な認知改善を示し、これは血液中のケトンレベルと相関していたのです。

このように低糖高脂食(高品質の脂肪、トウモロコシや大豆の油や揚げ物ではなく)と高品質のビタミンB、ビタミンD、ビタミンK、およびプロバイオサプリメントを摂取することで、私たちの脳機能を防ぐことができるという希望がでてきましたね。

自分の健康を維持するというのは自分たちの為だけでなく、家族や友達の心配や負担を減らすという意味でも重要なことだと思います。

参考サイト
http://www.bmj.com/content/345/bmj.e6231
http://www.bmj.com/content/349/bmj.g5205
http://www.darksideofsleepingpills.com/
https://www.alzinfo.org/articles/brain-detected-20-years-alzheimers-symptoms/
https://www.scientificamerican.com/article/do-popular-heartburn-meds-really-cause-dementia/
https://www.scientificamerican.com/article/its-not-dementia-its-your-heart-medication/
http://www.bbc.com/news/health-29127726
https://www.sciencedaily.com/releases/2014/11/141119142205.htm
http://news.harvard.edu/gazette/story/2016/05/gut-bacteria-link-and-multiple-sclerosis/
http://coconutketones.com/
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2367001/
http://blogs.plos.org/neuro/2016/07/16/ketones-to-combat-alzheimers-disease/
http://functionalhealthminute.com/2016/09/want-to-prevent-dementia-grow-good-gut-bacteria/
https://blogs.scientificamerican.com/mind-guest-blog/the-fat-fueled-brain-unnatural-or-advantageous/

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