コレステロールを下げる処方箋の薬をアメリカでは一般的にスタチンと言っています。このスタチンはアメリカ疾病対策予防センターによるとアメリカの成人した大人4人に1人は使用しているという数字がでています。ですから読者の方、そうでなければその家族、またお友達という身近な人が摂取している可能性は大いにあると思います。コレステロールを下げるお薬を飲みなさいと処方された時、どうして必要なのか正しい理由をお医者さんは説明してくれたでしょうか?(1)
多くの医者はスタチンが心臓発作の予防に大きな利益を及ぼすと信じています。しかし、彼らが製薬会社のレポートや医学資料で学んだスタチンの効用は本当の調査結果ではないというレポートがThe Expert Review of Clinical Pharmacology(臨床薬理専門家再審書)の調査により発表されました。そのレポートによるとスタチン支持者はスタチンの効用度を増幅するために、相対リスク低下率(Relative risk Reduction-RRR)と呼ばれる統計ツールを使用していました。
このレポートの筆者は
「Jupiterトライアル(心臓病の既往歴のない人を対象に世界26カ国で行われたthe Justification for the Use of Statins in Prevention:an Intervention Trial Evaluating Rosuvastatinという二重盲検ランダム化比較試験で、ロスバスタチン(クレストール)を20mg/日投与した群としない群に分けて、6ヶ月ごとに追跡調査した)は心臓発作の発生を54パーセント減少することができたと発表されたが、冠動脈疾患の減少に対する実際の効果は、1%未満であった。またASCOT試験(ASCOT-LLA:Anglo-Scandinavian Cardiac Outcomes Trial-Lipid Lowering Armとわれる北欧と英国・アイルランドで行われた複数の心血管リスク因子を持った高血圧患者に対して降圧治療とアトルバスタチン1日10mgを摂取するグループとプラセボを投与するグループに分けて比較した研究)では心臓発作と死亡率がプラセボのグループでは3%に対して、スタチンを摂取したグループは1.9%であった。つまりスタチン治療による効果はたったの1.1%でしかなかった。しかしこの研究が公に発表された時、相対リスクという統計の数字を使い、1.1%しかない効果を心臓発作のリスクが36%減少すると変更したのです。この誇張したスタチンの有効性およびその副作用の最小描写化が医療関係者そして国民にコレステロール低下薬は凄いと思わせたのです。」(2)
このレポートの筆者が説明している誤解を招くような数字は、相対リスク減少率と絶対リスク減少率の違いから来ています。例を出して説明しましょう。絶対リスク減少率は薬を飲んで発作を起こした人の率(200人中30人=15%)と飲まないで(プラセボ)発作を起こした人の率(200人中50人=25%)を比べたものです。この例だと25%-15%で絶対リスク低減率は10%となります。それに対して相対リスク減少率は引き算で差をだすのではなく、薬を飲んで発作を起こした人の率15%を飲まないで発作を起こした人の率25%でわって、その数字を1から引いたもの(1-(15%/25%)=0.4)で、この例の場合、「薬を飲んだ方がはプラセボ薬と比べて発作リスクを40%減らす」と解釈できるのです。
この筆者はさらに「スタチン服用による深刻な副作用を相殺できるほどのこの薬の効果はないという真実を通知せず、スタチン支持者はスタチンは【魔法の薬】という錯覚を作成するために統計的な詐欺行為をしたのである」と鋭いコメントを残しています。
ではさらに、多くの問題となっている副作用について注目してみましょう。副作用による被害率は年々増え続けています。そしてFDA(米食品医薬品局)のウェブサイトにも下記のような副作用の危険性があるので、気をつけるようにと注意しています。
• 記憶喪失、物忘れ、混乱などの認知減損がスタチン服用者から報告されています。
• スタチンを服用すると血糖値の上昇および2型糖尿病の発症される危険性が高くなります。
• ロバスタチン(ブランド名メバコ-ル)と他の薬との服用により筋肉の痛みまた損傷の危険性を高めます。(3)
またサンディエゴカリフォルニア大学で行われたスタチンの副作用についての最近の研究によると、
「スタチンの副作用として、メタボリックシンドローム、甲状腺疾患、およびミトコンドリア機能障害にリンクしている遺伝子変異などのミトコンドリア又は代謝機能を過大に脆弱させる症状が新たに追加されます。また他の研究証拠を収束した結果、スタチンよる筋肉に関連した副作用はミトコンドリアが基盤にあると証明され、理論的・実証的な面から見ても、その他(筋肉以外)のスタチン副作用症状の多くがミトコンドリアの機能障害によるものであると示唆しています。さらにRCT(ランダムコントロール試験)や他の研究結果は、認知障害、神経障害、膵臓および肝機能障害、また性的機能不全などの症状がスタチンによる副作用に含まれると証明しています。しかしこのようなスタチンの副作用について、医師の意識は低く、患者がもっとも多く報告している副作用でさえもよく理解していない医者が多いのが現実です。スタチンの副作用についての知識と警告についてよく把握し、治療の決断に役立て、患者ケアの質をあげ、かつ患者の罹患率を減少させるよう適切な治療を心がけるべきである。」と報告されています。(4)
下記はある一部のスタチン服用者からPeoplePharmacy.comというサイトに投書されたものを引用しました。(5)
「私もプラバスタチンというスタチン薬を取って、数ヵ月後には私の健康は破壊されました。クレアチニンの数値は上がり、腎臓機能は低下、そしてリュウマチ因子が上昇し、体調は最悪でした。スタチンを取り始めてから症状がでたので、原因はスタチンではないかと主治医に尋ねましたが、主治医は考慮することもなく頭から否定しました。」
「私は不安障害、関節リウマチそして多発性硬化症があると医師達から診断されました。そこで私は自分でスタチンをやめたのです。するとその後気分もすぐによくなり、今まで悩まさられていた不安症、関節痛、および脳に霧がかかるような記憶障害などの問題はなくなりました。」
「 私はこの2月に閉塞が95%で血液の流量が下がり、心筋が虚血状態になり、心筋梗塞になりました。私の家族の多くは高コレステロールを持っています。私は61歳で看護師として働いていて、今までに様々なスタチンを服用してきました。そしてその結果酷い関節炎で歩くことも不自由になってしまいました。心臓専門医に何度も関節炎の痛みは酷くなるばかりだと嘆いていました。そして今私はスタチンの服用を止めています。これ以上スタチンを飲み続ける生活はできないと判断したからです。長生きすることよりも痛みのない通常の生活ができる人生を選びました。」
「酷い記憶障害、呼吸困難、そして疲労・倦怠に悩まされてきた私に主治医はスタチンの使用はもうしないほうがいいだろうと決断してくれました。その代わりに炭水化物か脂質をやめなさいと言われ、私は前者を選択しました。そしてコレステロールは許容レベルにまで下がり、体重も落ちました。関節炎の症状も今はほとんどありません。もう何年ぶりかにやっと体調がもどった気分です。食事制限は決してやさしいものではありません。しかし、その努力の価値は比べ物になりません。もしあなたの医者がスタチンの副作用を信じていないのでしたら、別の医師を探すことをお勧めします。」
コレステロールだけが心臓病の原因でないということ、そしてコレステロール降下剤のスタチンの効果は私たちが教えられたものでないとわかった今、これ以上スタチンを取り続け、あなたの人生を取り返しのつかないものにしてしまうことを選ぶのでしょうか?誰もあなたの本当の痛みそして、どうやって治療するべきなのかは知りません。一番自分の体を理解しているのはあなた本人なのです。自分の健康を自分の手で手に入れましょう!
参考資料
- http://www.nytimes.com/2015/07/15/health/broader-statin-use-gets-support-from-2-new-studies.html?_r=0
- https://www.sciencedaily.com/releases/2015/02/150220110850.htm
- http://www.fda.gov/ForConsumers/ConsumerUpdates/ucm293330.htm
- http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2849981/
- http://www.peoplespharmacy.com/2013/04/04/doctor-pooh-poohs-statins-as-arthritis-trigger/